2019.10.20

歯根がいつ割れるかは予測が難しい。

前回、歯根が割れている状況
がどんな状態かを掲載しました。

下の写真のような感じでした。

このような歯根が割れることを
事前に予測できるかというと
とても難しいのが現状です。

今だと、顕微鏡などで
細かな破折線をみるとこも
可能ですが、
かぶせものの下や、
歯肉の下だとみえません。

レントゲン写真でも
亀裂くらいでは
わかりません。
定期的に撮っていても
なかなか難しいのです。

例えば、写真で示した歯は
左上第二小臼歯なのですが、
症状が出たときに撮った
レントゲン写真では、
変化をみることができます。
(右から3番目、根尖周囲に
透過像がみえます)

1年前のレントゲン写真を
振り返ってみると、これ。

左上第二大臼歯のつめものの下に
虫歯があり、治療しましたが、
このとき、破折については、
疑っていませんでした。

さらにその1年前はこれ。

このときも、破折については
疑っていませんでした。
左上第二大臼歯の
つめものの下の虫歯も
はっきりせず特別何も異常はなしと
判断していました。

しかし、その2年後には、
完全に歯根が割れていることが判明。

金属の土台が入っていると
歯根が割れやすいのですが、
この歯が2年後には割れて
抜歯することになるとは
申し訳ありませんが、
予想ができなかったですね。

2019.10.12

歯根が割れているとはどんな状態か?

「歯根が割れているから
抜かないといけません。」

歯科医からこのように
言われたことがあるかもしれません。

歯根が割れているというのは
どんな状態でしょうか?

色んな割れ方がありますが、
もし歯科医がそんなに迷いなく
歯を抜くことをお勧めするなら
垂直的に割れている可能性が高いです。

下の写真のような感じです。

歯根の真ん中に
縦に亀裂線が入っているのが
わかるでしょうか?

このような状況であると
良い状態で歯を使うことが
難しいので歯科医から
歯を抜くことをお勧めされると思います。

でも割れているかどうかを
歯科医は一体どうやって
判断しているのでしょうか?

2019.10.06

根管治療するのかしないのか?

根管治療をするのかしないのか。

正直なところ、
できるだけ根管治療は
したくありません。

根管治療をすることなく、
歯髄(俗にいう神経)を
できるだけ残して、
歯を生かすことが
とても重要だと
考えているからです。

だから私は、
歯髄が生きているときに行う
根管治療(抜髄という)は
できるだけ避けたいと思っています。
可能性がある限り
できるだけ神経を残したい。

とはいえ、
かかりつけ歯科医として
患者さんと向き合っていて、
根管治療を避けて通ることは
今のところできません。

根管に感染がすすみ、
歯髄が死んでしまって、
感染が広がってしまったら、
根管治療を行う必要があります。

そのときは、
根管治療を行うことを
覚悟しなければなりません。
そのまま放置していると、
細菌感染がどんどん進んでいく
可能性がありますので。

例えば次のようなケース。

2017年時点の状態はこれ。


歯髄に近いところで深く、
つめ物が入っていますが、
特別問題はないように
みえましたので、
そのまま何もしていませんでした。
患者さんも何も症状は
訴えられていませんでした。

ところが2018年時点ではこれ。


あきらかに右下第一大臼歯
(真ん中に写っている歯)
の周りの骨が無くなってきています。
歯肉からは膿も出ていました。

歯髄も死んでおり、
周りの骨が無くなっているのも
根管の細菌感染が拡がっていることが
原因だと考えられました。
このまま放置しても
感染が拡がる一方ですので、
やむなく根管治療を
行うことにしました。

そして2019年点ではこれ。
(治療1年後くらい)


無くなっていた骨は
元に戻ってきています。
治療の経過は良好です。
歯肉から膿も出ていませんし、
患者さんの自覚症状は
何もありません。

できるだけ根管治療は避けたい。
でも根管治療をしなければ
助からない場合もある。

根管治療をするのかしないのか。

例にあげたケースでは、
2018年時点のような
明らかに細菌感染が
拡がっている場合には、
根管治療をしなければなりません。

ただ2017年時点で
根管治療をすると決断することは
とても難しいと思います。
厳密にいったら、
この時点で細菌感染は進んで
いたのだとは思いますが。
それは結果論ですね。

だから、
ある一時点で判断するよりも、
経過を診ながら、比較によって
判断していることが多いです。

2019.09.29

治療方針の決め方

治療方針はどのように
決まるのでしょうか?

部分的で簡単な治療方針の場合には、
その方法と結果を明確に
決めて伝えることが可能です。

ただ全体的で、複雑だったりして、
その時点での不確定要素が
大きい場合には、
その方法と結果を
明確に決めて伝えることが
難しいこともあります。

向かう方向性は示すことができるけど、
やってみなくちゃわかない。
やってみがら修正していかなくてはなりません。
「そんなんじゃ不安です。
ちゃんと明確に教えてください。」
と言われてしまいそうですが、
これが今の私の正直なところです。

高い不確実性の含まれるものを
明確で確実なものであるかのような
歯科医のふるまいは、患者さんとの間に
余計にギャップを生むと感じています。

2019.03.15

わたしはどうしたら良いの?

「わたしは一体どうしたら良いのでしょうか?」
こう悩む患者さんが増えている気がします。

インターネットの普及により、
様々な情報が手に入るようになりました。
それに伴い、患者さんの知識レベルは
昔に比べると高くなっていると思います。

ただそれによって、
患者さんには選択肢が増えることになり、
以前より迷う患者さんが多くなったように思います。

情報があまりない時代は、
目の前の歯科医の言っていることを
信じるしかありませんでした。

今は調べたら他の歯科医の情報や患者さんの情報など、
容易に手に入れることができるようになりました。

セカンドオピニオンという言葉も普及し、
別な医師の意見を求める患者さんも増えてきました。

ところが次のように悩むことになります。

A歯科医にはこう言われたけど本当だろうか?
ネットで調べてみる。
どうも違う意見があることを知る。

だからB歯科医に意見を求めた。
そしてB歯科医にはA歯科医と違うことを言われた。

ネットで調べてみる。
どちらの意見もある。
状況によるらしい。
自分はどっちが良いのだろうか?

だからC歯科医にも聞いてみた。
C歯科医はまた別な意見を言ってきた。

みんな言っていることが違う。
ネット調べる。色んな人が色んなことを言っている。
でも自分の答えはわからない。

わたしは一体どうしたら良いんだろうか?

それに対するわたしの答え。

それは、
歯科医療の治療方針に決まった答えはないということ。
患者さん一人ひとり違うものだと考えています。
その患者さんのその時の状況で、
何が最も良いのかを一緒に決めていくしかありません。

歯科治療には、メリットがありますが、
必ずデメリットもついてきます。

だからどんなデメリットを受け入れて、
どんなメリットを手に入れていくかを決めなければならないのです。

迷った人が決定するためには、
自分の価値観や状況を考えながら、
それらの自分への影響度を整理していく必要があります。

影響度を整理するとは、
自分はどんなメリットあるいはデメリットを
重要視しているのかを見つける作業です。
それが分かると決断しやすくなり、
後悔も少なくなります。

上述したA歯科医もB歯科医も、
そしてC歯科医も、
嘘を言っているわけではありません。
だけど、それぞれが強調している部分が違うのだと思います。

どのメリット、あるいはデメリットを強調されるかで、
患者さんの受け取り方は全然変わってきますから。
でもそれはあり得ることなんです。
それは、歯科医も自分たちの価値観で話をすることになるからです。

答えを決めてほしいなら、
自分が信じれるだれかの価値観で決めてもらったら良いと思います。

でも誰を信じたらよいかわからない、
自分で答えを決めたい、
一緒に決めたいと思う場合には、
納得できる決断を支援してくれる人と決めていくと良いと思います。

一つの正しい答えはありません。
だからその患者さんのそのタイミングでの、
よりベターな答えを見つけていくしかないのです。

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