2015.01.31

虫歯治療(修復治療)の際の重要なステップとは?

先日、削らなければならない
虫歯治療について
お伝えしました。

当院では、
明らかにウ窩を認める、
なおかつ、
レントゲン写真上で陰影を
認める虫歯に対しては、
感染歯質を除去して修復する
という処置(修復治療)を選択します。

今日は、修復治療を行なう際の
重要なステップについてご説明します。

古野_亮_7

 

古野_亮_1

まず、
病変へのアクセスを得るために、
この歯の場合には、エナメル質を
切削して入り口を広げます。
(以前の詰め物がある場合には
詰め物を除去します。)

その次に、
虫歯になっている部分(感染歯質)
の除去を行いますが、
これをエキスカベーションと言います。

私は、このエキスカベーションの
ステップが
非常に重要だと
今改めて感じています。

虫歯をきちんと
全部取りきるということです。

これがすべての基本となります。
当たり前のことかと思われますが、
この作業は実はかなり
根気がいる作業なのです。

当院では、このステップを
正確に行うために必ず
う蝕検知液(虫歯を染め出す薬)
を使っています。

当院では、
ニシカカリエスチェックを
使用しています。

感染歯質は、細菌感染層と
無菌層に別れています。
このカリエスチェックは、
感染層のみを染め出してくれるので、
除去する際にどこまで感染歯質を
除去するかの判断が明瞭になります。

CIMG8665

ニシカカリエスチェックに関して
詳しくはこちらをご覧下さい。

う蝕検知液により、
感染している歯質は
このように赤色に染まります。

古野_亮_6この赤色が無くなるまで
虫歯を除去していくわけですが、
感覚的に大体取りきったかな
と思ったのが次の写真です。

古野_亮_3ところが、
再度う蝕検知液で
染め出してみると、
まだ薄く赤色に染まるのが
分かります。

古野_亮_4この時点で
感染歯質の除去を終了したら
細菌を取り残すことになりますので、
治療が終わった後に、
また虫歯になるリスクが上がってしまいます。
従って、う蝕検知液で
赤色に染まらなくなるまで、
この作業を繰り返します。

全部除去しきったのが下の写真です。

これでようやく、感染歯質を
すべてとりきることができました。

古野_亮_2

このように、
感覚のみによる削除では、
感染歯質(細菌)を
取り残してしまう可能性が
高まるために、
当院では必ず
う蝕検知液で感染歯質の有無を
確認するようにしています。

非常に基本的なことですが、
このエキスカベーションのステップを
確実に行うことが、
良い治療結果を
出すためのポイントなのです。

さらに当院では、
痛みを少なく、
出来るだけ歯にダメージを与えずに
感染歯質を除去するために、
手用エキスベーターを用いて
慎重に除去しています。

CIMG8664

別な例で、
手用エキスカベーターを用いて
う蝕検知液に染まった感染歯質を、
除去している様子を示します。

土田_幸子_3下の写真のように、
手でカリカリと慎重に
除去しています。
感染歯質の硬さなどを
手で感じながら
痛みが少なく繊細に
除去していくことができます。

土田_幸子_2

再度う蝕検知液を用いて、
赤く染まらないことを確認します。
(もしも赤く染まったら、
再度エキスカベーターで除去します。)
痛みもなく歯に優しい形で
感染歯質を除去できました。

土田_幸子_1

本日は、
虫歯(感染歯質)を除去する際に
重要なエキスカベーション
のステップを
記載しました。
そのときに活躍する、
う蝕検知液と手用エキスカベーターの
ご紹介もさせて頂きました。

非常にクラシカルでベーシックな
当たり前のことなのですが、
このようなステップを
確実に踏む事の重要性を
今改めて感じていますので、
振り返らせて頂きました。

 

参考文献)

ペンクト・オロフ/ダン・エリクソン 著 西真紀子 訳.スウェーデンのすべての歯科医師・歯科衛生士が学ぶトータルカリオロジー.

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