2019.10.06

根管治療するのかしないのか?

根管治療をするのかしないのか。

正直なところ、
できるだけ根管治療は
したくありません。

根管治療をすることなく、
歯髄(俗にいう神経)を
できるだけ残して、
歯を生かすことが
とても重要だと
考えているからです。

だから私は、
歯髄が生きているときに行う
根管治療(抜髄という)は
できるだけ避けたいと思っています。
可能性がある限り
できるだけ神経を残したい。

とはいえ、
かかりつけ歯科医として
患者さんと向き合っていて、
根管治療を避けて通ることは
今のところできません。

根管に感染がすすみ、
歯髄が死んでしまって、
感染が広がってしまったら、
根管治療を行う必要があります。

そのときは、
根管治療を行うことを
覚悟しなければなりません。
そのまま放置していると、
細菌感染がどんどん進んでいく
可能性がありますので。

例えば次のようなケース。

2017年時点の状態はこれ。


歯髄に近いところで深く、
つめ物が入っていますが、
特別問題はないように
みえましたので、
そのまま何もしていませんでした。
患者さんも何も症状は
訴えられていませんでした。

ところが2018年時点ではこれ。


あきらかに右下第一大臼歯
(真ん中に写っている歯)
の周りの骨が無くなってきています。
歯肉からは膿も出ていました。

歯髄も死んでおり、
周りの骨が無くなっているのも
根管の細菌感染が拡がっていることが
原因だと考えられました。
このまま放置しても
感染が拡がる一方ですので、
やむなく根管治療を
行うことにしました。

そして2019年点ではこれ。
(治療1年後くらい)


無くなっていた骨は
元に戻ってきています。
治療の経過は良好です。
歯肉から膿も出ていませんし、
患者さんの自覚症状は
何もありません。

できるだけ根管治療は避けたい。
でも根管治療をしなければ
助からない場合もある。

根管治療をするのかしないのか。

例にあげたケースでは、
2018年時点のような
明らかに細菌感染が
拡がっている場合には、
根管治療をしなければなりません。

ただ2017年時点で
根管治療をすると決断することは
とても難しいと思います。
厳密にいったら、
この時点で細菌感染は進んで
いたのだとは思いますが。
それは結果論ですね。

だから、
ある一時点で判断するよりも、
経過を診ながら、比較によって
判断していることが多いです。

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