

カリソルブは、スウェーデンの歯科大学、工科大学そして複数の研究機関とメディティーム・デンタル社によって1987年より10年間にわたり研究・開発されました。
一般臨床は1998年よりスウェーデンを中心に導入され、現在では世界47ヶ国で臨床導入されています。
カリソルブは、カリソルブ溶液(次亜塩素酸ナトリウムと3種類の混合溶液)の作用により、感染した象牙質のみを選択的に軟化させ、カリソルブインスツルメントを用いることでその感染部位のみを除去することを可能にします。

カリソルブをカリソルブインスツルメントを用いて感染象牙質へ運ぶ。この時、感染象牙質が完全に浸されるようにカリソルブを十分満たす。
カリソルブが作用するまで約30秒間放置する。

カリソルブインスツルメントを用いて、軟化した感染象牙質を注意深く掻き取る。インスツルメントは部位、アクセスの具合を考慮して選択する。
常に病変部位が完全にカリソルブで満たされているように本品を加える。この時には30秒間の放置は必要としない。この手順をカリソルブが濁らなくなるまで繰り返す。

水洗いし、その後、感染象牙質が適切に除去されたことを確認する。その際、う蝕検知液の使用を推奨する。
使用する修復材料の用法に従い、修復処置を行う。
治療の対象
う蝕に羅患した患者すべてが治療の対象となります。特に下記に示す患者の治療には有用です。
- 1.小児・高齢患者
- 2.歯科恐怖症・痛みに敏感な患者
- 3.全身疾患等で局所麻酔の使用が禁忌の患者
- 4.在宅診療の患者
適応症
- カリソルブとカリソルブ・インスツルメントが感染象牙質に到達可能であればどの部位でも適応となりますが、その中でも下記に示す症例には特に有効です。
- 1.根面う蝕
- 2.開放型の病巣がみられる歯冠う蝕
- 3.修復材料に近接するう蝕
- 4.補綴物のマージン部のう蝕
- 5.歯髄に近接している

健全歯質の保存
カリソルブを用いると健全象牙質と感染象牙質とが臨床的に明確に区分されます。
そのため、健全歯質を不必要に除去せず、感染象牙質のみを除去することが可能になります。
静かで快適な治療
従来の回転切除機器(エアータービンやマイクロモーター等)による音や振動が最小限の使用で済みますので、患者様は快適な環境で治療を受けていただくことができます。
痛みの少ない治療
カリソルブによる治療の多くは、局所麻酔の必要性が最小限にとどまります。ドリリングは主にカリソルブ・インスツルメントの到達が困難な窩洞においてのみ補助的につかいます。
安全性
カリソルブは軟組織、エナメル質または健全象牙質には作用しません。歯髄に対する影響も報告されていません。
利便性
カリソルブはカリソルブ溶液とカリソルブ・インスツルメント で治療を行いますので、高価な専用の器械を必要としません。また、溶液の使用量も非常に微量ですので、臨床的な操作性にも優れています。