2019.11.30

虫歯が深くて痛みが強いときの治療経過

前回、神経を取るかどうか
悩むときがあるということを
掲載しました。

どんなとき悩むかというと、
次のようなとき。

①虫歯が深くて痛みが強いとき
(何もしなくてもズキズキする、
咬んだら痛いなど)

②虫歯治療でつめ物がしてある
歯の周囲に病変がある。
(レントゲン写真で歯の周りが
黒く抜けている)

今回は、1つ目の、
虫歯が深くて痛みが強い

(何もしなくてもズキズキする、
咬んだら痛いなど)ときの
実際の治療経過を掲載します。

まずはこれです。
右上の歯が痛くて眠れない、
咬んだら痛いという患者さん。



レントゲン写真はこれ。

右上第一大臼歯(写真左の歯)にも
大きな虫歯がありますが、
今回の痛みの原因は、
右上第一および第二小臼歯
(写真右2本の歯)の虫歯だと
判断し、治療開始。

ただどちらも、すぐに神経を取ることはせず、
神経を残すための治療を行いました。
治療後のレントゲン写真がこれ。

一時痛みは治まりましたが、
右上第一小臼歯は、咬んだら痛いとのこと。
良くみると、根尖(根の先)に
病変(黒い影)が認められます。

この時点で、細菌感染が根の先まで
拡がっていると判断し、
根管治療を行いました。

右上第二小臼歯は、
神経を残し修復治療、
右上第一小臼歯は、
根管治療を行いました。

根管治療後のレントゲン写真がこれ。


根管治療後に、

その歯にはかぶせものを入れて、
右上第一大臼歯も、
神経を残して修復治療を行いました。

どの歯が痛みの原因で、
どの歯は神経を残し、
どの歯は神経を取るか。

患者さんは、
強い痛みを訴えていて、
全部神経抜いて
良いから早くこの痛みを
何とかしてほしいと。

結局1本は、
細菌感染が根の先まで拡がって、
神経は死んでしまったため、
神経の治療(根管治療)を
することになりましたが、
その他の歯は、神経を残すことができました。

ただ、
この歯の治療が終わった時点で、
患者さんは来院されなくなり、
その後の経過を追うことは
できていません。

経過が悪くないことを
祈るばかりです。

 

次のケースです。

左上の奥歯が何もしなくても
ズキズキして痛いと訴え
来られた患者さん。
16歳の高校生。


左上第一大臼歯に深そうな虫歯が
認められます。

レントゲン写真がこれです。

やはりその歯には
神経にかなり近い(ほぼ接している)
深い虫歯が認められます。

神経を取れば、
今困っている強い痛みは取れますが、
まだ若い今の時期に
神経を取ることは
後から後悔します。
残せるならばできるだけ神経を
残した方が良いので
そのための治療を行っていきました。

治療後のレントゲン写真がこれ。

その1年後のレントゲン写真がこれ。

隣の歯の治療も必要になりましたが、
どちらも神経を残したまま
経過は良好です。

定期メインテナンスにも
まじめに通ってくれています。
できるだけ良い状態を
維持したいですね。

 

次回は、
神経の治療をするかどうか
悩む場合の2つ目、
虫歯治療でつめ物がしてある

歯の周囲に病変がある
(レントゲン写真で歯の周りが
黒く抜けている)ときの
実際の治療経過について

掲載する予定です。

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